Saturday, March 24, 2007

女は何を欲望するのか? 内田樹

おお、まるで女を落とすノウハウ本のようなタイトルだ。
内田先生がそんな本書くわけありゃせんがな。

内容は、フェミニズムについての考察。
そもそも私はフェミニズムと言ったら田嶋陽子ぐらいしか思いつかない
フェミニズムと無縁な人間である。
フェッタリーなんてフェミニスト聞いたこともないがな。
しかしこの本には、かようなタレントの話なぞ出てこない。
フェミニストの主張とそれに対する反論がこの本の前半部を占める
言葉や他者についての内田先生いつもの主張なのだろうが、いつもどうりのわかったようなわからんような感じ
たぶん理解しきれていないのだろう

こういう自分でも理解し切れていない話を友人にして煙たがられることがある
なぜ自分はこういう話を人にしたがるのだろう?
自慢したいのだろうか?
と考えたこともあったけどこれも内田先生により解答を得た
自分が他人と話すときに現れるのは

まだ会ったことのない自分に会いたいから

なのだと。幸いにして私はそういう話を聞き流し、有効な返事をくれる友人に恵まれているため
これからもこういう行動を続けていくのだろう
これじゃあもてないなという諦めとともに

フェミニズムもマルキシズムもとうに終わった思想として生きてきた私には、
フェミニズムに万能性を期待することからフェミニズムが死んだといわれてもぴんとこない
フェミニズムからは女性は男性から権利を取り戻すべしという発想に
男女の不平等を解消すると言いながら、逆に不平等にとらわれすぎている気がしてはいた

生物学者として見た場合の男性の不利さばかり知っていたため
フェミニズム運動は
ただでさえ優位な女性がこれ以上の権利を要求する強欲な運動
ぐらいにしか考えていなかった

歴史的な意味を持つフェミニズムの存在を知り、その寿命の終わりなんて
自分の理解レベルの二歩も三歩も上の世界なので
この本は記憶の片隅にとどめ、エントリーシートでも書いていよう

後半は映画エイリアンシリーズと女性について。
現在斜め読みで済ませただけである。
こっちの方がおもしろそうだった。
エイリアンの造形はペニスが元になっているという話は聞いたことがあるけど
思想性があるとは思わなかった
はたまた評論家による深読みのしすぎか?
しかし、こういう全然関係なさそうなものを結びつける評論は好物なのである。

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