Saturday, December 24, 2005

バカの壁 養老孟司著

久々の更新です。院試が終わって書きたくてたまっていたものを吐き出すぜい。
珍しく有名どころの本です。
人気な本や有名な本はなんか苦手だったり、つっこみどころ満載でとうてい読むに耐えないというのがだいたいの感想です。
結構期待していたのにこの本もご多分に漏れずに突っ込みどころ満載です。
ただ、養老孟司さんの本を読むのは初めてに近いので、これが本人が本当に主張したいことなのかがわからないので、天に唾すになるかも知れませんが、批判覚悟で叩き切りたいと思います。
養老孟子さん、有名な学者なんですからあなたはホントはもっとすごい人だと言うことを信じています。

まず第一に絶対に納得できないところ。
p26「つまり、真に科学的であるというのは「理屈として説明できるから」それが絶対的な事実であると考えるのではなく、そこに反証されうる曖昧さが残っていることを認める姿勢です。
進化論を例にとれば「自然選択説」の危ういところも、反証できないところです。
「生き残ったものが適者だ」といっても、反証のしようがない。「選択されなかった種」はすでに存在していないのですから。」とあります。

確かに現実での進化論は反証不可能です。
たとえば、この生物がこうやって進化してきたということを推定することはできても、本当にそうやってその生物が進化してきたということは誰にもわかりません。その意味では進化は反証不能です。

しかし、ダーウィンの進化論が優れている点は、”演繹的に”進化を起こすことができるからです。
たとえばメンデルの遺伝法則のような生物の法則と矛盾することなくモデルを作り、コンピューターでシュミレーションすると確かに、しかも他のモデルよりも高速に進化を起こすことができます。
できの悪い理論は進化を起こすことができませんし、また、できたとしても非常に遅かったり、現実とは似てもにつかない結果になったりします。
著者は、進化論は反証不可能と言われていますが、モデルを作るってシュミレーションをするという手段により、進化論は反証が可能です。

鋭い読者は進化論と現実に起きている進化が違っている可能性に気づいていると思います。
しかし、現実で何が起こっているかを理論が確かに説明しているということは証明できません。
しかし、そこには科学の限界があります。それを言うなら宇宙の起源について語る物理学も、地球の成り立ちについて語る地学もすべて理論通りに成立したかどうかは証明するすべはありません。
過去にはもう戻れないのですから。何も反証不可能なのは進化論だけではないのです。

また最初に考えていたものとずいぶん違うものができあがってしまったので、いったん区切って次回は細かい部分のつっこみといきましょう。

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