Tuesday, April 17, 2007

イエスタディをうたって

私が読む本にしては珍しく恋愛ものである。
恋愛ものを読むと普通、現実感のなさから拒否反応が起きるんだけど
この漫画は大丈夫だった
むしろ好きな漫画に入る
たぶんこの漫画は誰もが誰にも媚びていないからだと思う
ヒロインが主人公に媚びたりしないし
ヒロインがエロティックな格好をして読者に媚びたりしない
だれもが自分の生活を営んでいる
そういうゆったりした空気の中に時々入る登場人物たちの語り
私はこういう雰囲気に憧れる

キャラが自分の好みにあっているのからかもしれない
フリーターで貧乏な主人公
洒落っ気がなくて世話好きな主人公の思い人
ミステリアスなフリーターのカラスを飼っている少女
こういう人たちに囲まれて生活したい

もう一つの理由は現在就職活動中だからかもしれない
正直あまりうまくいっていない
この漫画の登場人物たちも世間的には勝ち組とはいえないだろう
将来に不安を抱きつつも自分の恋に悩みながらも
思うままに生活している

自分もたぶん「勝ち組」といわれる大企業で働くのには向いていない
かといって良さそうな中小企業を見つけることもできない
リクナビではがむしゃらな上昇指向と自分の有能さをうたう企業ばかりだ
どこか「もっと成長したいけれど、もう日本の成長は止まっているからパイは増えないし、社員は食わせていけるから、さしあたって現状維持で」
みたいなゆるゆるな企業はないだろうか?
そうしてだらだらと就職活動を続けている
もちろん毎回毎回本気で受けてはいる
しかし、金にも出世にも世間への影響もたいして興味がないので
情熱が燃え上がらない
情熱を持っていた研究者にも、もう憧れはない
しかもなんかこういう底辺でもがいている自分が好きなのである
いい企業に入った自分よりも好感が持てる
いかんな、このままだと本当にフリーターだな

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